
【7/27(日)開催】吳其育(ウー・チーユ)ボードゲームワークショップ&トークイベント

台北を拠点に活動するアーティスト、ウー・チーユの「入植者の立場から台湾博覧会を再体験するボードゲームワークショップ」と「植民地時代の博覧会で形成された入植者の視線についてのトーク」を開催します。
ワークショップでは、1935年の日本統治下の台湾博覧会にインスパイアされた展示体験を提供します。参加者は、博覧会が生み出した希望に満ちた未来像と、植民地主義の影という両面を、入植者の立場になりきりゲーム感覚で体験し、歴史を新たな視点で読み解きます。一方トークイベントではウーが長年探求している近代映像制作に貢献した素材『樟脳』に関する映像を通して、植民地時代の博覧会から形成された「入植者の視線」が、メディアの形態が変化する中でどのように再浮上し続けているのかを考察します。
これらのイベントは、大阪万博が開催されている最中だからこそ、私たちに強く語りかけるものがあるのではないでしょうか。
貴重な機会ですので、ぜひご参加ください。
①ボードゲームワークショップ 「南方宇宙博覧会:提案」
歴史的な南部へ足を踏み入れてみましょう。そこは、どこか懐かしく奇妙でもある、並行した時間に浮かぶ世界です。万国博覧会は長年にわたり、繁栄の未来像や想像上の未来を讃えてきました。しかし、その輝かしい展示の背後には、今なお解決されていない植民地入植の過去が潜んでいます。
植民地統治と近代的なスペクタクルが交錯した壮大な1935年の台湾博覧会に着想をえた本ゲームは、プレイヤーに「入植」と「(博覧会)展示制作」という二つの行為の間を行き来することを促します。自身の展示の提案を実現するためには、植民地の資源を搾取し、自分の「入植者体験」を蓄積していきます。これらは単なる成功への道筋ではなく、最終的なあなたの提案の核となっていきます。
あなたは、この歴史をどのように解釈しますか?
*本プロジェクトはウー・チーユとRikey Tennによる共同研究から生まれたもので、ゲームデザインはウー・チーユが主導しています。
②トークイベント「視線の再生:樟脳からデータへ」
ウー・チーユーの近年の作品は、近代化の歴史において重要な役割を果たした植物由来の抽出物、樟脳を探求しています。樟脳はもともと東アジアで採取され、セルロイドフィルムの可塑剤として使用されてきました。それは初期の映像制作技術の一端を担っていただけでなく、生態学的な歴史と集合的記憶を結びつける素材でもありました。
本トークでは、ウーが長年にわたり樟脳に取り組む中で発展させた、映像プロジェクトや研究成果の数々を紹介します。さらに、歴史のビジュアルアーカイブや植民地時代の博覧会を通じて形成された「入植者の視線」が、メディアの形態が変化する中でどのように再浮上し続けているのかを考察します。これらの視覚的な体制は、データセットやアルゴリズムシステムの論理によって構築された現代のデータ駆動型の視覚方法の中でも持続し、進化し続けています。
日時:2025年7月27日(日) 13:00〜18:00
(①ワークショップ:13:00〜16:00/②トークイベント:16:30〜18:00)
会場:「喫茶あたりや」隣、NPO法人山王エックス事務所(山王ハモニカ長屋)
https://maps.app.goo.gl/S8hoFgNu4HniXqw56
料金:入場無料
定員(ワークショップ):12名 (事前予約制)
定員(トークイベント):15名 (事前予約制)
下記フォームよりご予約ください。ワークショップ、トークどちらかだけでも参加可能です。
https://forms.gle/tD7BtbU7keztu63J7
吳其育(ウー・チーユ)| Wu Chi-Yu
台北を拠点に活動するマルチメディア・アーティストで、映像、ビデオ・インスタレーション、写真などを手がける。彼は、種、環境、人類文明を構築するテクノロジーの間の失われ、確立されていないつながりを掘り下げ、アジアの複雑な歴史的地理と様々な存在の相互依存を複数の物語を通して探求している。作品はタイムズ美術館(広州、2021年)、MoCA(台北、2020年)、2018年上海ビエンナーレ、2016年台北ビエンナーレ、北京国際短編映画祭(2017年)で展示・上映され、Rijksakademie van beeldende kunstenのレジデント・アーティスト(2014-2015年)を務めた。台湾のアーティスト集団Fuxinghen Studioのメンバーであり、映像の脱植民地化研究に焦点を当てたプロジェクトPailang Museumの共同創設者でもある。
https://www.wuchiyu.com/
アーティストページはこちら