Artist

アーティスト

釜ヶ崎芸術大学

日本

あきらめへんで。釜ヶ崎アートセンター

釜ヶ崎は大阪市西成区北東の一部の地域をさしますが、地図にあるわけではありません。「釜ヶ崎」とは、人生のなかで寄る辺のない、ひとりぼっちのような気持ちの状況なのかもしれません。釜ヶ崎の片隅で、存在を認め合い、表現しあう場と機会があると、さまざまなおもしろいことが起こるんです。
アートNPOココルームは、補助金や制度などはなく、自らこの場を運営しています。2003年喫茶店のふりから始まり、芸術大学・ゲストハウスのふりも加わり、「であいと表現の場」を開き、20年余たちました。苦労のしみこんだ無名の人々の表現は人生の機微をつたえ、今を生きることを深くしてくれます。孤独を味方にしている人たちの弱さが、ちからとなる瞬間に立ちあいつづけ、どれほど励まされたことか。
2024年12月、あいりん労働福祉センターのまわりで強制執行が行われ、建て替えへと進んでいくことでしょう。1970年の大阪万博を支えた労働者の街がまた変化します。
わたしたちはこの数年、センター跡地に釜ヶ崎の記憶と記録を抱え、未来へ手渡す、今を生きるための創造や対話、交流が生まれ、働きあうアートセンターをつくりたいと声をあげています。けれど、実現の兆しはみえません。
釜ヶ崎は生きること働くことを深く考えるまち。近隣で急増する外国人の人たちと言語をこえて交流したり、旅人と地域の人々が経験をともにする機会と場をつくっていきたいと考えています。 ここに宣言します。
あきらめへんで。釜ヶ崎アートセンター。
往生際には、無名の人々の表現のありったけとユーモアと工夫を!
※船場エクセルビルは期間限定、西成の釜ヶ崎芸術大学は365日オープンしています。

プロフィール

2012年より大阪市西成区釜ヶ崎にて開講。NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)が運営する。釜ヶ崎の街を大学にみたて「学び合いたい人がいれば、そこが大学」として、地域のさまざまな施設を会場に、天文学、美学、合唱など、年間約80〜100講座を開催する。近年は釜ヶ崎に暮らす人たちの高齢化により、記憶や記録に注力しながら「であいと表現の場」として活動する。近隣の高校や中学校への出張講座や大阪大学との協働講座も実施。
2019年、ペシャワール会で井戸を掘ってきた蓮岡氏の協力を得て、釜ヶ崎の元日雇い労働者に教わりながら、こどもや旅人、難民など700人とスコップで井戸を掘った。JR・南海電車の新今宮駅前のあいりん労働福祉センターの建て替えに伴い、この場所に、「釜ヶ崎アーツセンター」を妄想している。
展覧会・公演など:ヨコハマトリエンナーレ2014、アーツ前橋「表現の森」(2016)、鳥の演劇祭(2016)、大岡信ことば館「釜芸がやって来た!」(2017)、るんびにい美術館「えぇ街やで。ここは〜釜ヶ崎芸術大学の日々」(2018)、さいたま国際芸術祭(2019)、大阪関西国際芸術祭(2022)など。


プログラム

展示会場